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痛くもかゆくもないですが

仙台市内の病院に勤務する小林です。

皆様毎日お仕事お疲れさまです

病院で働いていると、さまざまな病名・既往歴などを耳にすることがあります。

その中で、今回私が取り上げるのが「白斑」です。

過去に化粧品による被害が大きく報道されたことがあるため、ご存知の方も多いと思います。

この時は化粧品に含まれる美白成分が原因でした。

しかし、白斑の多くは明らかな原因がないまま症状が現れます。

数年前、突然現れ始めた私の場合は「サットン白斑(母斑)」と呼ばれるもので、ほくろを中心にその周りの皮膚が白く色抜けしています。

  

白斑は自己免疫疾患の一種であるとされ、サットン白斑の場合では、ほくろに存在するメラニンを異物とみなす自己免疫が働き、その周囲の皮膚のメラニンまで攻撃してしまうため、ほくろの周りが白くなるという症状が起こるそうです。

本来なら細菌やウイルスなどをやっつけるために働くはずの免疫が、どうしてメラノサイト(皮膚のメラニン色素をつくる細胞)を攻撃してしまうのか、ということまではまだわかっていないようです

さて、サットン白斑ですがタイトルにもある通り、痛くもかゆくもないのですが、白斑のせいでできなくなったことが一つだけあります。

それは骨髄バンクのドナー登録です。

提供する側も健康上のリスクを伴うため、若い頃は少し怖いイメージを持っていましたが、年齢を重ねるにつれ、子供を産まないのなら何か他の方法で自分の体を有効活用できないかと考えるようになり、登録申請をしようとしていました。

しかし、ドナーになるためには健康でなければなりませんが、私は自分が健康であると信じ切っていました。

とはいえ、厳しい審査基準がある以上、自分でも調べておこうと「ドナー適格性判定基準」を見てみたのです。

ちなみに「ドナー適格性判定基準」とは、ドナーとしての健康状態を客観的に判断するため、各診療科の疾患ごとに適否がまとめられたものです。

※(PDF形式ではおよそ70ページもありますが、令和になってからはシステム化され、日本骨髄バンクのサイトなどで必要な部分だけを簡単に検索・閲覧することができるようになりました)

そしてその中の皮膚科疾患の項目に、尋常性白斑が「絶対不適格」と記されていました。

当時、白斑について何も知らなかった私は、あきらめ悪く「尋常性白斑を合併していないサットン白斑ならどうか」と骨髄バンクに問い合わせることまでしました

結果は当然、「患者様の安全が第一ですので…」と丁重にお断りされました

私のような例だけでなく、若いうちにドナー登録したものの、年齢を重ねるにつれ健康上の問題が生じてコーディネートがうまくいかないという事例も多々あると知りました

これ以降、勤務中に骨髄採取があると、なんとなく感慨深くなります。

皆様も自分の健康を過信せず、どうか体に気をつけてお過ごしください